一番使用頻度の高い電池式のインパクトドライバーをご紹介します。ビスが最後の最後まで完全に締まるモノづくりには欠かせないドライバーです。電池の持ちや耐久性をレビューします。工具そのものの使い勝手と共通の電池にすることで工具の汎用性が高まる、そんな事を書いてみます。
インパクトドライバー

マキタインパクト
インパクトドライバーはネジを締め込む時に打撃をネジ方向に与えてドンドン打ち込んでいくドライバーです。つまりわかりやすく言うと木材に左手でドライバーでネジを締める。そのドライバーのお尻を右手のハンマーで打ち込んでいく。回転の力と打撃の力が一緒になった工具で、言う今や日本の職人になくてはならない工具です。
電気ドライバーとは仕組みが違います(その違いは別の回で)。
オススメするインパクトドライバーはマキタとhikoki
オススメのメーカーは2つです。それはマキタと日立(Hikoki)です。
他のメーカー(某有名家電メーカーの物など)もありますがこの2つが職人の2大メーカーです。ヒルティやPanasonicを使っている職人もいますが少数派です。
マキタはシェアNo.1です。マキタを買うと共通の電池を使えるので職人仲間では電池の貸し借りもできますし、丸ノコ、グラインダーなどからライトやラジオ、さらには掃除機や扇風機まで共通の電池で動くので最初にマキタを買うとマキタばっかりになってしまいます。
日立は個人的にはモーターは最高だと思います。家電製品にせよ、工具にせよ回転物(モーターを使う機械)は狂いが少ないし安定感があります。最近の秀逸な製品はソフトインパクトです。インパクトを使うとガッガッガッ!と打ち込む時の音がしますがこの音がかなり抑えられていて近所迷惑にならないので気兼ねなく工事ができます(もちろんマキタもソフトインパクトはあります)。
私が長年使っているのはマキタ製ですが、日立製もかなり良いです。たまに他の職人さんのインパクトを使うことがあるのですが、素直にねじ込んでくれるし今自分が使っているマキタよりも軽くて感触は良かったです。
とは言え私はマキタを愛用しているのには訳があります。
メーカーが決まれば電池も決まる
マキタのインパクトを買うと電池が2個ついてきますので、使っているうちに電池切れになっても、もう一つを使っている間に充電ができます。上記のようにケースの中も充電器や電池、その他ビスやビットを入れておくことができるのでこれ一つでかなりの仕事をこなせます。

マキタインパクトケース
マキタを愛用している人が間違って日立(hiKoki)を買おうものなら電池がマキタと日立で共通ではないので汎用性がなくなってしまうのです。逆もまた然りです。
メーカーの戦略にハマった感はありますが、電池が共通なのは非常に便利です。
特に大工仕事をすると電池をかなり消費するので、常時数個の電池を充電していなければ仕事が止まってしまいますから、プロとしては効率を考えて良い工具を買います。
DIYを楽しむにしても工具は同じメーカーで揃えた方が効率的だしコレクションとしても楽しめる
趣味で楽しむDIYは納期(工期)が決まっていないと思いますので、それほど効率を気にしなくても良いかと思います。
とは言っても常にマキタ、日立、ヒルティ、ボッシュを持っているとして、4種類の電池を一度に充電するのも手間やスペースが必要になるし、仮に1つの工具が電池切れになるとその工具は充電完了まで使えなくなる。
1つのメーカーの電動工具なら、1つ電池切れになっても他の工具の電池を利用できるメリットがあるし、充電器も工具にお数だけ増えますので、充電にも困らない。
できるだけプロ仕様を使いましょう
ホームセンターではDIY専用の工具もあります。
同じメーカーでも「価格」が違ったり「工具の色」が違ったりしますが、マキタの場合「青」がプロ用で「緑」がDIY用です。できれば「青」のプロ仕様の方が長持ちしますし、パワーもあります。
以前マキタではありませんがDIY用の工具を買ったことがありますが、1年くらいしか持たなかったことがあります。もちろんDIY用の工具をプロの現場で使うので良くないのはわかりますが、まさか1年でダメになるとは思っていませんでした。
もっと経験談を言うと、大工さんが遠くの現場に行った時、インパクトを忘れたことに気づいて慌てて近くのホームセンターに行ってDIY用を買ったそうです。朝から晩までずっと使ったようですが、なんと3日で壊れてしまったそうです。大工はビスも短いビスから90mmの長いビスまで種類も多く、ビスを100本打つのに10分もかかりませんから、その仕様頻度はかなりのものです。
ポケットや腰袋に引っ掛けられる金具があるインパクトが便利
上の画像を見るとわかるのですが、インパクトドライバーの電池側にステンレスの引っ掛かる部品が標準装備でありますがこれがあるとないではかなりの手間の違いが出てきます。
引っ掛かる所をポケットに引っ掛けておけば脚立に登って作業する時とかは両手で登れるし、床の上でもすぐ利き手のポケット付近を探るとすぐに取れるので効率アップが期待できます。
腰袋のようなインパクトドライバー用のサックもホームセンターでは売っていますが、工具を変えるたびにサックを替えるのは非効率的です。
ビスを打つ時にビスを手に取って、置いているインパクトを持つ、と言うこの一連の流れだけでもかなりの効率が下がります。
つまらない事のように思えるかもしれませんが、この引っ掛け金具があるだけでかなり使いやすくなります。昔この引っ掛け金具がないものを使っていた時は1回1回しゃがみ込んで足元のインパクトを持ち上げる。スクワットが好きな人には良い運動かもしれませんが、そうでなければ腰や足を痛めますよ。
Panasonicはおすすめしません
私が使った限りにおいては耐久性がいまいちで、プロの職人の保有率も少ないです。去年までパナソニックを使っていた職人も徐々にHikokiに替えています。なぜ?と聞いてみたら電池の持ちが良くないのと耐久性がイマイチだからとか・・・
全ての工具を否定するわけではありませんが、オススメと聞かれると「オススメしない」方の部類に入るので申し訳ありません。
初心者へのアドバイス「インパクトの使い方」
- 打ち込む方向に力を入れる
- 割れやすい素材には使わない
充電もしていざネジを打ち込む時に、軽く握って打ち込むのはやめましょう。必ずネジを打ち込む方向に少し体重をかけ(もしくは押し込むように力を入れ)ながら人差し指でトリガーを引きましょう。
力を入れずにネジを打とうとすると+の部分がビットで削れてしまいます。
実はお客さんのところに行って工事をしていた時、DIYで作ったと思われるフェンスのような物がありまして、これを撤去しなければならないのに、ネジの+がかなり削れていて抜けないネジが数十本あったのを覚えています。この頭をなめたネジを抜くのは本当に時間がかかります。
あと、ネジの打ち込みすぎにも注意してください。インパクトは上記のように少し力を入れながら打ち込むのですが、引き金は少しづつ引いてください。一気に躊躇せず打ち込むとめり込んでしまいます。特に板を固定する時は板を撃ち抜く可能性があるので、ネジ頭が木材にめり込んだらそこでストップです。
あと、プラスティックなどには使用しない方が良いです。何故かと言うと打ち込みすぎてプラスティックが割れてしまうからです。
ただ最初は少しくらい失敗することが上達への第1歩かな、とも思います。
楽しんで使ってみましょう。
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